原作は鳥山明で、少年ジャンプにおいて1980年から1984年まで連載された。ペンギン村という「ど田舎」を舞台に、発明家である則巻千兵衛が制作した少女型ロボット「アラレ」が引き起こすドタバタを描いているが、もともとイラストレーターとして画力には定評のある作者が取り組んだだけあって、ペンギン村の風景やメカ描写、日常で使用される衣装や小物に至るまで細かい神経の行き届いた作品になっている。1981年にはアニメ化され(じつはこのアニメ化で作品の存在を知ったのだが…)、全243話が放映された。その後1997年にはリメイクされ全74話が放映されている。ちなみに原作は『Dr.スランプ』、最初のアニメは『Dr.スランプ アラレちゃん 』、リメイクされたアニメは『ドクタースランプ 』がタイトルである。これらのタイトルからもわかるように主人公は発明家の「則巻千兵衛」なのだが作中で本人が言及する以外はそのような扱いを受けたことが無い。 |
則巻アラレ |
千兵衛が制作した少女型ロボット。ロボットなのに何故かメガネをかけている。設計ミスなのか常識離れのパワーとスピードを持ち、短時間で地球を一周したり、地面を殴って地球を二つに割ったり出来る。エネルギー源は「ロボビタンA」という謎の液体で、いつも哺乳瓶をつかって口から補給する。千兵衛の意向でロボットであることは内緒にされ、幼いころに生き別れた妹ということにされたが、アラレ本人はその意味が理解できず、あらゆる場面で存分にそのパワーを発揮している。それどころか時折、首を自分ではずして見せたりもするのだが、周りの人は「アラレちゃんは特技の多い変わった子」としか認識していない。つまりペンギン村というのはそういうのどかな場所なのである。 |
則巻千兵衛 |
本人いわく、本作の主人公。次々と発明を繰り返しそれを売って生計をたてている。いかにも「おじさん」な風貌なためまったく女性に相手にされないが、スケベ心は人並み以上に持っている。アラレの学校の「みどり先生」がだいすき。このみどり先生とは突然のように結婚してしまう。千兵衛の純真さにみどり先生が魅かれたらしいのだが「恋愛ものはきらい」と明言している原作者のため、作中で二人が愛をはぐくむ場面は(千兵衛の奮闘ぶりをみてみどり先生がやさしく微笑む一コマを除いて)まったくない。その後二人には「ターボ」とその妹という二人の子供が出来た。 |
則巻ガジラ |
アラレが過去の世界から拾ってきた卵から生まれた天使のような羽をもつ子供(男の子だと思うが不明)。ゴム以外ならばなんでも食べる。一定の年月がたつと2つに分裂するという特性があるのだがその正体は神様が送り込んだ天使。その目的は地球の文明が危機的状況に陥ったときに、その文明すべてを食べつくすという過激なものだったが、アラレたちと暮らすうちにその目的を忘れてしまったらしい(神様も後にその状況を認めている)。アラレちゃんと同等以上のスピードで空を飛ぶことが出来る上、頭についた触覚からビームを発射することが出来る。 |
則巻ターボ |
千兵衛とみどりさんの子供。普通の赤ちゃんとして生まれたが千兵衛が目を放している隙に、宇宙船との衝突事故で命を落としてしまう。あわてた宇宙人はターボに蘇生措置を施すのだが間違って超能力をもった天才にしてしまい、それから0歳児なのにすべての言語をあやつり、空を飛び、千兵衛以上に素晴らしいメカを発明するようになった。 |
おぼっちゃまん |
Dr.マシリトが世界征服を目指して製作したロボットシリーズのひとつ。アラレの内部構造を盗み見て、そっくりそのまま真似をして作り出した。そのため、性別こそ男(しっかりと証拠も作られている)で髪型は鉄腕アトムのようだがそれ以外の見た目及びパワーはアラレにそっくり。とても真面目な性格で最初はDr.マシリトの「アラレは悪者」という言葉を信じ、アラレに戦いを挑むのだが、アラレに一目ぼれをしてしまい、倒すべきかどうか迷い始める。その後Dr.マシリトから追い出されてアラレたちと一緒にすごすようになる。おぼっちゃまんという名前はアラレたちと過ごすようになってから名乗り始めた。 |
Dr.マシリト |
世界征服を狙う悪い科学者。製作するロボットを見る限り千兵衛と同じぐらいの技術を持っているようだが、いつもその野望は失敗する。最後は自分をロボットに改造してアラレたちに挑むがやっぱり負けてネジひとつの姿になってしまう。 |
ニコちゃん大王 |
惑星の侵略をつづけていた宇宙人だったがガジラに宇宙船を食べられてしまい仕方なく地球に住み始めた。巨大な顔から直接手足がはえている異様な姿。家来をひとり連れて宇宙船をつくる費用を稼ぐため、様々なアルバイトをしている。最終的には千兵衛が試作した宇宙船をもらい自分の星に帰る。 |